虫食い物忘れ。(呆けの初期症状かな!?)

 先日、お誘いを受けていたサークルに顔を出してみた。そして、最後にアンケートが回ってきて、いろいろ書かされた。その中で『定年退職者』と書こうとしたら『退』の字が出てこなかった。
 
 頭がパニックを起こし、脳味噌は『退場』だの『退会』だの『辞退』だの『脱退』だのと『退』のつく言葉を探したのだが、すべて『○場』『○会』『辞○』『脱○』となってしまい『退』の字は出てこなかった。
 まるで『退』の字が虫に喰われた様に消えてしまって思い出せなくなり、アンケートに平仮名まじりの『定年たい職者』と書けなくて『定年者』と書いてサークルを後にした。
 
 帰り道『定年者』と書いたのをさらに恥ずかしく思い、鬱々として歩いていたらヒョイと思い出した。様々な言葉を探しても出てこなかったのに『板垣退助』という人名を思い出したとたん4文字の漢字が見え『退』という漢字も鮮やかによみがえっていた。
 
 子供の頃から『退』という字はあまり良い意味だとは思っていなかったから、板垣退助の親はなぜ『退助』という名前を付けたのだろうと考えていた。それゆえ、思い出せなかった『退』の字が『板垣退助』という4文字一括りで出てきたのだと思う。
 記憶とは不思議なものだ。でも恥ずかしくてあのサークルには2度と顔を出せない。