技量は経験で増す。

 無線屋というと電鍵を叩くイメージとか無線機を操作するイメージがあるかもしれないが、じつはアンテナ作業では建築屋の様な事もやるのである。
 アンテナ修理の鉄塔作業では、鉄骨に足場丸太などをスコヤを使ってなまし鉄線で縛りつける。ところが、簡単な作業に見えるのだが、なまし鉄線をスコヤで締めるのはけっこう難しい。
 
 5月4日のブログ『風が吹けば桶屋が儲かる』で、オリンピックの建設作業に自民党政府が外国人労働者の力を考えていると書いたが、私は外国人労働者の技術力にも心配をしている。
 特に、鉄筋コンクリートの建築物に危惧を抱いている。鉄筋コンクリートの建造物ではコンクリートを打ってしまうと見えなくなる鉄筋の組み方が要になる。
 鉄骨構造ならば溶接やボルトナットで組み付けるので技量の差は出づらいが、鉄筋構造物は1本1本の鉄筋をなまし鉄線で縛りつける。ここがいい加減だと鉄筋コンクリートは計算上の強度を保てない。
 ところが、この工程が意外と難しい。鉄筋工の場合は、私の使ったスコヤとは形の違う専用のスコヤを使うが、一般的なスコヤでも使うのが難しい。まして、作業効率を高める様に作られた鉄筋用のスコヤの使い方は更に難しい。

 
 日本とは建築規制も建築事情も違う外国人労働者にそれができるだろうか。もし、技術力の劣る鉄筋工が施工したらどうなるかと考えると、私は夜も眠れない。
(でも自民党の面々はよく眠っているんだろうな~)