不破臼人とすだま。

 前回のブログ『人間は皆ファウストだ』で手塚治虫の漫画の話を書いたけど、不破臼人とすだまは典型的な夫婦だと思う。
 
 子供の頃に、私は叔父や従弟の『戦友』という深い結びつきの人間関係を見た。子供の目に『戦友』は赤の他人なのに親兄弟よりも強い結びつきと映った。
 共に死線を越えなければならない強い協力関係と、同じ目的に立ち向かう長い間の密着した付き合いから自然と芽生えた感情なのだと思った。そして、それは少し夫婦関係に似ているとも感じていた。
 
 現代の我が子の結婚生活を見ると、私は危惧の念を禁じ得ない。共働きで、財布が別で、夫婦で共通目標に協力し合う機会が少ない気がする。
 2月24日のブログ『感動を共有し共感する』に、人は共通の体験で共感し心の喜びを得ると書いた。ところが、我が子の結婚生活を見ていると共通の体験も、共感も、感動も少ない様な気がする。
 
 そんなのを見ていると、不破臼人とすだまの方がよっぽど理想的な夫婦だと思う。でも、こんな感覚は古くさいのかな~。それとも共働きでないと暮らせない世相なのかな~。多分、自分が育った以上の生活を子供に与えてやりたいのだろうな~。