死の恐怖を与える事は犯罪である。

 横浜地検川崎支部から逃走した杉本容疑者は、約20Km離れた横浜市泉区和泉町の公園近くの川の中で捕まり『川から引き上げてくれ寒い』と言ったそうだ。
 今は冬でも一番寒いといわれる寒の最中である。野天で夜を過ごせば死を感じるほどに寒いはずだし、容疑者もそう感じていただろう。
 
 去年の10月24日のブログ『欲望のパターン。(本能系)』で人間の欲望で一番強いのは『生存欲』と書いた。
 容疑者は他人に命の危機を感じさせる犯罪を起こした。だが、他人に命の危機を感じさせても、容疑者自身は被害者にそんな恐怖を味あわせたとは思っていなかっただろう。
 だが今回、容疑者自身も死の恐怖を感じたはずである。その経験から自分の行いを反省してもらいたいと思う。
 
 我々が感じる死の恐怖の最たるものは戦争ではないだろうか。自然災害も死を感じさせる恐怖だが、自然災害は人間だけを対象としてはいない。しかし、戦争は人間を標的としているので、兵士は死の恐怖を感じているはずである。そして、兵役は国家の命令によるものである。
 もし私が靖国神社に入っていたならば『尊崇の念』などという言葉ではなく、死に至らしめたお詫びを平易な言葉で聞きたいと思うだろう。戦死した父をもつ私の従弟が、私とは違う目で靖国神社を見つめる姿には、理由も無く父を奪われた子供の無念さを感じてしまう。