プリクラとつけまつげの関係。

 映画『ローマの休日』のヘップバーンは可愛らしい。演技が下手なのも本当の王女の様で愛らしい。また、肉弾戦で負けそうなグラマラス欧米女優に比べるとかばいたくなる容姿も可愛らしさを倍加させた。
 
 そして、特によく見えるのがつけまつげである。あの頃はまつげを目じりの方に長くしていた。ヘップバーンのそんなまつげに惚れもした。
 松本零士の漫画『銀河鉄道スリーナイン』のメーテルがそんなまつげをしている。松本零士も、きっとヘップバーンの『ローマの休日』が好きなのだと思う。
 
 目じりの長いつけまつげに憧れたジジイ達から見れば、今のつけまつげには違和感がある。とにかく前へ前へ、上へ上へと伸ばし丸める。そんなまつげのギャルとすれ違うたびに、その顔がビックリ顔のタヌキに見えるのは私だけだろうか。
 
 でも、なぜそんなまつげが流行るのだろうか。つらつら考えるに、きっとプリクラが原因だと思う。プリクラは正面顔がメインなので側面の美しさに気を配らなくなったのだろう。だが多くの場合、女性は斜めや側面から見られているのだ。
 年寄りからみれば、いま流行りのつけまつげには馴染めない。まして、少々トウのたった女性がクリンクリンのまつげなどしていると、見ていて気の毒になってしまう。
 女性のおくゆかしさを感じさせる様に、めじりにも気を使ってほしい。