漫画の整理にも気力が必要。

 人間なら誰しも少なからず収集癖というものがあります。動物にも冬越し用の食料を巣穴に貯め込む習性はありますが、人間は食料でなく他人が見れば何という事もない物まで集めるから面白いのです。
 多くの場合、収集するものは自分が大切と思ったお気に入りですが、子供の頃に欲しくてたまらなかった物である事も多いものです。
 
 私の場合は『漫画』でです。子供の頃の小遣いは1日10円で、とても単行本の漫画を買う事はできませんでした。漫画を読むためには10円玉を握り締めて貸し本屋に行って読むのですが、作者によりランク分けされ手塚治虫の様な人気作家は10円で1冊しか読めませんでした。また、人気作家の漫画は貸し出し中も多く、棚にない事がありました。
 一般的には、手塚治虫では『ジャングル大帝』とか『鉄腕アトム』が有名ですが、私は『ロック冒険記』が好きでした。
 
 働く様になって、給料はほとんど酒と漫画に消えていきました。酒は少しで酔えるウィスキー。それもサントリーやニッカよりも安かったオーシャン。漫画は新書版サイズで色々復刻されたので手当たり次第に集めました。色っぽい絵の小島功なども沢山集めました。そのうち『ガロ』や『ビッグコミック』などが発売され、それも欠かさず買う様になりました。
 退職して、それら大量の漫画雑誌をすべて置いておくわけにもいかなくなり、処分方法を考えなければならなくなりました。単行本は案外廃棄処分の決断はできましたが、『ガロ』や『ビッグコミック』などの漫画雑誌には好きな作家がいるので、仕方なく全巻バラバラにして好きな作品だけを事務用文具のビニール袋に入れて保管する方法で段ボール箱20箱くらいを処分しました。
 
 ところが、実はまだやり残しがあるんです。『ガロ』『COM』『ビッグコミック』の創刊号から50冊くらいには手をつけていません。
 それら5~6個のダンボールは手付かずで残っています。もったいなさもありますが、部屋を汚して分類し、最後はゴミとして捨てる分を縛ったり、部屋の掃除までやらなくてはならないのでしんどいのです。
(考えただけでやる気をなくしてしまうなんて歳だな~)