良い工具は良い仕事につながる。

 以前、餅つき機のモーター側のプーリーが壊れた。メーカーに問い合わせても古すぎて部品が無い。仕方ないから、ステンレス製の戸車を壊してプーリーの代用にした。
 この時、戸車をモーター軸に固定するネジが必要なので、電動ドリルで2.6mmの穴を開けたが、手ぶれで工作精度は低いし、ドリルの切れも悪くて何度もダイヤモンドヤスリでドリルの刃先を研がなければならなかった。
 
 ところが餅つき機は動く様になったものの、戸車が少し大きかったので臼側の捏ね羽根の回転が速くなり、餅が搗き上がってくると踊って蓋を跳ね上げてしまう。
 そんな事があり、1サイズ小さな戸車を買っておいたのだが、電動ドリルでの再挑戦はしたくなかった。
 
 先日、日曜大工店で卓上ボール盤を見つけたので買う事にしたが、展示品しか無いというので値切り交渉して安く手に入れた。
 欠点とすれば刃先が2cmしか下ろせない事だが、厚さ2cmにもなる鋼材に穴など開ける事もないだろうから、実質的な問題とはならない。
 
 そして、前から買ってあったステンレスの戸車に穴を開け始めた。アララ?と思うほどにあっけなく2.6mmの穴を開ける事ができた。やはり良い工具というものは大切である。
 穴開けよりも大変だったのは3mmのタップを切る方であった。モーター軸に戸車を固定するネジ穴なのだが、ステンレススチールの戸車は堅くてタップが折れそうになり、慎重に作業した。
 
 小さな戸車プーリーにしたおかげで臼の捏ね羽根の回転が下がり、餅が踊る事はなくなった。バットに流した餅はまだやわらかくて今は切れないので、今日はこれを冷蔵庫に入れて固まり具合を見ながら、今夜か明日には切って冷凍しようと考えている。