未来を考えない虚しい論争。

 6月5日午後8時からの2時間ニュース番組、BSフジのプライムニュースで『慰安婦に関する歴史認識を考える』を放送し、私も関心のある話題だったので録画もした。しかし、その内容にはガッカリした。
 
 ゲストとして出演したのは、国および軍の関与は無かったとする『慰安婦と戦場の性』の著者『秦郁彦(はた いくひこ)』と、元慰安婦の弁護士『藍谷邦雄(あいたに くにお)』であった。
 まあ、研究者というのも始末におえないものである。自著のためというか、研究成果というか、国や軍の関与は無かったとする証拠を提示して、研究の正しさを語るだけだった。
 弁護士は、直接証拠は無いが元慰安婦の証言や慰安所などの傍証で反論するだけだった。
 
 すなわち、未来への展望の無い過去の議論しかしなかったのだ。その状態を一言でいえば『歴史を学んだ』というだけの事であり、『歴史を学び未来に生かす』話をしていないのだ。
 私は思う。第二次世界大戦当時は世界中で売春が公然と行われていて、それが常識であり管理売春が女性の人権を奪っているとも思っていなかった。
 
 私は、5月16日からのブログはほとんど慰安婦関連になってしまった。そしてその中で、私は当時の管理売春にふれ、管理売春そのものが『女性の人権を奪い、性奴隷とした人権問題だ』と書いてきた。
 今、慰安婦問題から学ぶべきは、過去を反省し、未来に再び過ちを犯さない事だと考える。そんな意味では5日のプライムニュースは未来につながらない2時間だったと思う。
 
 ただ、秦郁彦という人の先祖は苗字からすると、秦の始皇帝の命令で東海にある蓬莱山に不老不死の薬を探しに船出し、日本に着き、ハタ姓あるいはハネダ姓などの先祖になったとさ
れる徐福の血筋である。
 まあ、先祖は中国人というだけの事だけど、2千年以上も前の国籍にこだわったらおかしいかも。
 そういう私も、先祖は熊本県にある菊池市の元になった菊池一族。多分、遠い先祖は南方系海洋民族だったと思う。
 海から流れ着いたり、大陸から逃げてきたり、北から豊かな南を目指してきたり。日本人の先祖なんて、あちこちの寄り集まりだから色んな苗字がある。
 細かな事を言わなければ、天皇を含めて日本人は皆ボートピープルの末裔だと、私は考えている。