管理売春の女達は性奴隷だった。

 売春防止法が施行された時、私は思春期に突入していてオチンチンがオシッコのためだけに付いている物ではない事を知った。それ以来、今も性の欲望に振り回される情けない生き方をしている。
 
 漫画家:村上もとかの作品『龍 -RON- 』は管理売春の実態をかなり正確に描いている。まず第一に売春婦達が婦人科の医者により子宮口を切られる事だ。性行為をすれば妊娠するのは当たり前である。ところが、妊娠・出産されては少なくとも1年は客を取れなくなってしまう。
 ゆえに、子宮口を切って妊娠しても胎児を子宮に納めておけない様にしたのだ。これは、代理出産で有名になった向井亜紀が子宮頚癌のために子宮口を切除し、妊娠を続けられない体になったのと同様な事を売春婦に施したのだ。
 すでにこの時点で管理売春の女達が性奴隷であった事が判る。
 
 SEXというのは人間の動物的本能である。だが、性行為は個人の好みも関係するメンタルな行為である。女でも男でも『この人はダメ~』というのがある。しかし、管理売春となれば売春婦に客を選ぶ権利は無い。
 肌に粟を生ずるほどに嫌な客であっても、売春婦は体を開かなければならない。拒めば肉体的にも精神的にも金銭的にも折檻される。また、とらされる客は1晩1人ではない。5人を越える客をとれば2階に上がる階段も上れなくなると聞いた。
 そんな生活を続けると、子宮をお腹の中に収めている筋肉が損傷を受け、子宮が膣口から垂れ下がる『子宮脱』という病気になる恐れもある。
 その他には、肉体的折檻で脳障害になった女性もいれば、望まぬ性行為の辛さから精神に異常をきたした者もいれば、好きな男と妓楼を逃げ出し連れ戻されて死ぬほどの折檻をされた者もいる。
 
 管理売春の悪さは女性を性奴隷とする事であり、その非人道的商売から女性を解放するために定められたのが売春防止法である。すなわち、売春婦は肉体的に改造され、意図しない労働を強要され、その対価を管理者にピンハネされるのである。売春防止法は売春婦を罰する法ではなく、管理売春を行う者を罰する法なのである。弁護士であってもこのあたりを判っていない人がおり、一般の人の中にはお金で自由にした女性に『売春は罪だ』などとほざくのである。
 
 それでは橋下の言った風俗業での性の処理は何なのだろうか。法の抜け穴として、それには『自由恋愛』という逃げ道がある。
 『お持ち帰り』という言葉があるが、初めて会った男女がすぐにSEXをする。そして、男が女に何かをプレゼントする。ヒョットするとプレゼントは現金かもしれない。
 性行為は本能に根ざすだけに、売春と自由恋愛の線引きが極めて難しいのだ。しかし、しかしである。風俗で働く女性にオーナーが客をとらせれば売春防止法を犯す事になる。
 現代の自由恋愛と売春の線引きが難しい状況にあっても、風俗業における性行為は実質的な売春行為という事例が多いのではないかと私は考える。
 昔の赤線・青線ほどではないにしても『明日から来なくていいよ』などとオーナーに言われれば、風俗で働く女性への脅しになる。それこそが管理売春なのだ。