どんな枕が良いのか。

 私は冷たい枕が好きなのでソバガラの枕を使ってます。ソバガラは熱がこもらず、それでも熱いと感じたら枕を回転させます。欠点は重い事で、今の枕も5Kg以上あります。最初の枕は長枕だったので10Kg近くありました。
 女房は夏場には通気性が良いといわれる短く切ったビニールチューブをつめた枕を使い、冬場の今は羽毛の枕を使っています。肩が冷えなくて安眠できるそうです。
 
 私の母方の祖母は豆の枕を使っていました。なぜ枕に豆を入れたのかは判りません。推測になりますが、関東大震災や太平洋戦争など危機の時代を生きてきた知恵なのかもしれません。今となっては推測するだけで真相は判りません。
 漫画などで、地震や近所の火事などに寝ぼけて枕を抱えて逃げるというのがあります。そんな時には祖母も枕を持って避難するかもしれません。昔の人の知恵で、祖母の枕にはお金も混ぜてあったかもしれません。
 もしそうだとしたら、祖母も『アハハ。私もボケたね~』と笑って誤魔化した事でしょう。そうでも言わないと枕の中にお金を隠している事がバレてしまいますから。
 
 今の私の枕は、ただただ快適に眠るためだけに30年ほど自分で枕を作り、祖母の様に食べ物やお金などは入れてありません。最初に作った枕から今の枕まで構造はすべて同じで、丈夫な布で円筒を作り、両端を紐で縛ってソバガラがこぼれない様にしています。枕を回転させる癖のある私には扁平な枕より円筒の枕の方が都合よいのです。
 布が充分にあれば、同じ物を2つ作ります。枕カバーをしていても頭の臭いは枕にもしみつきます。円筒形で両端を紐で縛った枕ならソバガラの入れ替えも簡単なので、枕カバーだけでなく枕も洗えます。
 
 次の枕は、祖母の知恵をもらってソバガラに砂金を混ぜておこうかなとも思いますが、今でも重い枕を寝ぼけたふりして持ち出すのは不自然です。祖母の知恵でなく、叔父の知恵を真似て盆栽の土に砂金を混ぜた方がよいかもしれません。
 ただ叔父の死んだ後、親戚が盆栽をひっくり返してみましたが砂金は出てきませんでした。砂金盆栽は一人住まいをしていた叔父の寂しさから出た嘘でした。