『歯・目・魔羅』

 表題は俗に言われる男の老化の順番である。すなわち、最初の老化は歯に出るという事になる。老眼になったのを老化とすれば、私は目が先だったが眼鏡で補正しても見えなくなる『かすみ目』の事だとしたら、やはり最初の老化は『歯』だった。
 私は早期退社した頃に自分の歯を噛み割った。食事の時に左下の犬歯より1つ奥の歯が前後に割れた。そして歯医者で金属を被せてもらった。その後、左上の犬歯の表側が欠けたが、欠けたのが小さかったので治療はしなかった。
 
 その後、左の頬に唾石が出た。その事で歯の割れた原因も判った。唾石の前駆症状として左顎の唾の出が悪くなり、唾液による歯の再石灰化が充分にできなくて歯が弱くなっていたのだ。
 この様な老化による諸症状は、医療が細分化された現代では各科の医者に相談しても答えてもらえない。『老化現象です』と言われるのがオチである。だが私は唾の出が悪くなって、歯の再石灰化が不充分で歯が割れたり欠けたりしたと悟った。
 唾石という唾液腺の病気を持ったのだから、歯が割れたり欠けたりしない様にする責任は私にある。だから、唾石になってからは寝る前に頬を揉んだりさすったりして唾が口に出る様にしている。
 
 そういえば、痛風の前駆症状の尿酸値が高かった時も、医者は何がどうなっているのか言わなかった。データを見て『尿酸値が高いですね薬で治療しますか』と聞くから、私が「薬は飲みたくない」と言うとそれ以上何も言わなかった。腎臓のエコーを見た医者は『腎臓に影があります』と言っただけだった。
 なぜ定期健診で『尿酸値が高く腎臓に影がある。これは尿酸が腎臓に析出したのだから痛風治療を始めなさい』と言ってくれなかったのだろう。医者の専門分野が違うからだろうか。考えたくはないけど両方の医者とも『もう直ぐ激痛の痛風発作が起こって治療を始めるさ』と腹の中で思ったのだろうか。
 
 痛風発作の典型は、足の人差し指の付け根近くが腫れてものすごく痛い。丁度、そこにゴルフボール位の血玉ができて、歩いて体重が掛かると血玉から血が押し出され、体重が抜けると血が戻ってくる様に感じる。そして、血が出入りする様に感じる時がひどく痛く歩きも遅くなり、踏ん張りもきかない。
 また、痛風の薬を飲み始めたら腎臓に析出した尿酸の結晶が時々落ちてくる。特に、膀胱から陰茎を落ちてくる時は小便の切れが悪くなって残尿感で気持ちが悪いし、下着も汚れる。
 痛風の悪い事は腎機能が徐々に低下する事で、今の私の腎臓は50~60%しか機能していない。30%位なると透析が必要になるらしい。
 
(3番目は男性機能の事なので詳しくは書けません)