工業製品の美しさ。

 お友だち登録していただいているヒデ坊様が黒猫とCBXのコムスターホイールの色についてのブログを読ませていただきました。
http://blogs.yahoo.co.jp/x7opinujd/31616884.html
 私もアルミ製の滑車で色の変化の美しさを見た経験があります。
 
 アルミは腐食しやすい金属ですが、軽くて熱伝導も電気伝導も良くて、展性も高いし鋳込みにも適しています。戦後に流行ったのはナイロンの靴下ですが、アルミの鍋もその1つだと思います。
 腐食しやすいアルミを鍋という製品にしたのは、展性の良さや熱伝導の高さだけではなく、腐食を防ぐアルマイト加工で腐食しにくくなったからだと思います。とはいえ、その薄い酸化皮膜に傷がつくと腐食して穴があきます。それでも、小さなピンホールには爪楊枝で真綿を詰めて使い続けたものです。
 
 短波の仕事をした時に、アンテナ作業の危険性な宙乗り作業を減らすために両側の鉄塔に滑車を取り付け、アンテナを簡単に地上に下ろせる様にしました。その時、滑車メーカーに相談したらアルミ滑車を勧められました。
 それが特殊なアルマイト加工した滑車でした。アルミ鍋のアルマイト加工よりも色が濃く、その酸化皮膜も丈夫でカッターで削ろうとしても刃が酸化皮膜を傷つける事もできず、勿論、皮膜の下のアルミを削る事もできませんでした。
 滑車とカッターを返そうと机の上に戻したら、光線の具合で茶色い滑車が透明感のある金色に輝いたのです。正直に綺麗だな~と感じました。
 
 最初は耐食性を高めるために考えられた酸化皮膜の技術ですが、今は様々な色付けができる様になりました。その技術は同じ様に酸化皮膜で耐食性を高めた鋼板でも用いられています。ビルの外壁の鋼板では、その色もペンキより丈夫でカラフルなビルが造られています。
 薄くて透過性のある酸化皮膜は、光のマジックでペンキ塗装よりも透明感のある美しい変化を見せます。時に距離感を惑わす様な変化も見せるので、時間の壁や次元の境目を思わせるファンタスティックな感覚になる事もあります。
 
 私がホームページを始めたのは、一時期ブームとなった自分史に挫折したからです。自分史ソフトなる物が販売されるほどのブームとはなりましたが、私は色々なエピソードを思い出せなかったのです。
 ブログでは他の方々のブログとのつながりが深くなり、思い出の尻尾を掴むチャンスが多くなりました。そのおかげで忘れていた事を思い出す事ができ、すでに数回(それ以上?)ブログにできました。自分自身、皆様のブログで何か思い出す事ができるかもしれないと楽しみにしています。