今の日本の政治はどうなっているのか。

 今の国政を一言でいえば『混乱状態にある』なのだが、ではなぜ混乱しているのだろう。私はその原因を政治体制の転換期にあるからだと考えている。
 歴史をさかのぼれば、絶対的な権力を持つ王が支配していた時代から貴族が台頭する時代にも混乱が生じ、時代をもっと下って商人階級が台頭して来た時にも混乱があり、市民が台頭した近世では革命などの大きな混乱の末、現在の政治体制が出来上がった。
 今の世情を見れば、個人がネットを使って自由に発言できる時代になった。すなわち、従来の代議員制の政治体制が時代遅れになってきていると考えられる。
 無党派層が増えたのも政治に対する意見が多様になり、自分の代弁者、あるいは利益代表としての代議士が選べない状況にあるからだと思う。
 
 それでは、代議員制の現代政治の後には何が来るのだろう。ネットを使った直接政治だろうか。だが、これにも問題が多い。政治は個人(王)が判断する王政は短時間で決したが、代議士が論議する現代政治は決定までに時間がかかる様になった。
 直接政治で、一定年齢以上の国民が政治決定に参加するようになれば、更なる意見の混乱と決定に時間がかかるだろう。
 もっと悪い事を考えれば、扇動者による悪意に満ちた政策に気付かずにとんでもない決定を下してしまうかもしれない。例えば石原都知事だが、彼の目玉政策のオリンピック招致も尖閣列島購入も、彼は責任を取らないのだ。責任うんぬんの前に彼は死んでしまい『ツケ』だけを残す事になる。
 だが、多くの人は悪口雑言突飛な発想に『何かやってくれそう』という気分だけで支持する。直接政治ではその様な気分に流されて政治決定を誤まる事も充分にありうる。
 
 だが恐れるのはやめよう。代議員制の現在の政治が時代遅れになったのなら、試行錯誤となるだろうが、新しい政治手法を試してみるしかない。とりあえず市町村などの限定された地域で始めてみるのもよいかもしれない。まあ、そうなると市町村議員は全員失業となるから市町村議会で猛反発の起こるのは間違いない。