最初に憧れたバイクはスーパーカブ。

 ヒデ坊様のブログのコメに自分のバイクの思い出を書いたら、次から次へと思い出が湧き上がってしまったので、自分のブログに続きを書きます。
 
 小学校のクラス会にスーパーカブに乗って来たクラスメートがいてビックリした。手に入れたいきさつはモービル石油の懸賞で当たったというので更にビックリした。
 その頃は50ccバイクが雨後の竹の子のごとくに発売された時期で、社会事情的には『金の玉子』とよばれた中卒の少年少女が都会に出てくる時代だった。
 ホンダは『片手運転でソバの配達ができるバイク』としてスーパーカブを世に送り出したので、山口オートペットなどのオートバイ型とは違うデザインになったそうだ。
 その頃の50ccバイクが免許制ではなく許可制であったのも、中卒で都会に就職した金の玉子たちへの配慮だったのかもしれない。(軽自動車の免許や小型特殊の免許も同様の配慮であったのだろう)
 
 50ccという小排気量エンジンは生産効率や馬力の点から2ストロークエンジンが主流だったが、ホンダは生産工程の複雑さや馬力の低さをカバーするためにオートクラッチの、働くためのバイクとしてスパーカブを作ったのだろう。(現在では片手運転など認められるわけはないが当時のソバ屋の配達は自転車の片手運転だった)
 また、その頃の2ストロークはガソリンと潤滑油を20:1くらいの比率で混ぜ合わせた混合ガソリンを使用したので、排気ガスはもうもうと白煙を吐き、排気音も甲高い2ストローク音だった。
 
 友だちのスーパーカブ排気ガスもほとんど見えず、排気音もすごく静かだった。何よりもノークラッチなので、オートバイ初心者の私でもエンストせずに自転車とは段違いの加速感を味わえた。
 別の友だちの親父も山口オートペットを持っていたので時々貸してもらったが、クラッチミートに失敗してエンストしたり、勢いよく飛び出して生垣に突っ込むなど迷惑をかけてしまった。
 
 だがスーパーカブには惚れても、6万円弱の値段は大卒の初任給の10ヶ月分くらいに相当し、親にねだって買ってもらえる金額ではなかった。
 新車が買えなければ中古となるのだが、まだ軽自動車の生まれる前だったので、中古でも値段が高いし、とことん使う時代だったから手のとどく中古は不動車か修理しなければ乗れない様な物だった。
 私が初めて手にしたオートバイは転倒歴のあるCB350でタンクに凹みがあり、フレームも少し歪んでいたらしく未舗装路でブレーキをかけると後輪が必ず左に流れた。
 スーパーカブに惚れてから10年後に買った中古バイクだったが、小河内ダムや相模湖や富士山へ日帰りで出かけ、生活の行動半径がグンと広がり行動の自由度も高まりすごく嬉しかった。
(初めてこのCB350で東名高速も走り酒匂川では地平線が傾いて見えました)