私の好きな人情話『文七元結』

 文七は人の名前ですが、元結はちょん髷の根元をしばる紐の事です。
 
 あらすじは、腕は良いのだが身を持ち崩した左官の父親が仕事のために、娘を五十両で吉原にあずけるが、帰り道で大川(隅田川)に身投げしようとする男を見つける。
 聞けば、五十両の金をスラれ、お店に戻れないので死んでお詫びをすると言う。父親にすれば娘を吉原に預けた金だが、人の命には替えられないと金を投げ捨てる様にして渡してしまう。
 ところがお店に帰るとスラれたのは思い違いで、仕事先で囲碁のお相手をして置き忘れたのです。
 
 それから色々ありまして、お店の旦那の計らいで文七と左官の娘は夫婦となり、元結屋を開くという噺です。