必然しか語れないアジテーター。

大飯再稼働、橋下市長「民主政権倒すしかない」
(読売新聞4月13日(金)22時4分配信)
 大阪市橋下徹市長は13日、政府が関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働が必要と判断したことを受け、「民主党政権を倒すしかない。次の(衆院)選挙の時に(政権を)代わってもらう」と市役所で記者団に語り、民主党政権への対決姿勢を鮮明にした。
 橋下市長はその理由について「(内閣府の)原子力安全委員会大飯原発が安全なのかどうか、コメントをしっかり出させないといけない。(安全委は)ストレステストの一次評価の結果を了承したが、安全だとは一言も言っていない。民主党の統治のあり方は危険だ」と説明。そのうえで、「次の選挙では絶対(再稼働)反対でいきたい」と次期衆院選で争点に据える考えを示した。
 安全委の班目春樹委員長は3月13日、同原発のストレステスト(耐性検査)1次評価について、「(経済産業省原子力安全・保安院による)審査手法に問題はない」と了承したが、安全性評価は不十分との見解を示していた。
 
 この発言って驚く事なのだろうか。あえて口にする価値のある言葉なんだろうか。ただ自分の存在を誇示するだけの虚飾じゃあないだろうか。石原を知事にした東京に住んでいてこんな事は言えないが、橋下にも担ぐだけの価値があるのだろうか。
 「民主政権倒すしかない」と言うが、次期選挙で民主党政権政党から滑り落ちるのは明白であり、明白な事が起こったからといってそれは橋下の力ではない。ただ橋下はその明白な現象を自分に利益誘導しているだけだ。
 
 私は思う。現在の政界の混乱は自民党小泉政権が原因だ。バブル崩壊後の不景気による閉塞感が、郵政解体により社会的活力を生み出すだろうと期待させたり、スタンドプレーの上手さに喝采を送っただけなのではないだろうか。
 郵便事業が民営化された事で運送業が郵政独占だった部門に進出した事は事実だが、国債の超安定出資者が消えた。増税が加速されるのは当然の帰結であり、東日本大震災がさらに後を押したにすぎない。
 
 私は思う。自民党も表立って消費税10%を言い始めた。民主党は消費税8%などと姑息な事は言わずに10%にすればよい。そして政権の座を下りればよい。政権交代は革命ではない。政党が変わろうと前政権の政治課題を反故にはできないから、民主党が小泉のツケで苦しんだ様に、増税後の景気浮揚に苦労するはずだ。
 
 必然的結末の「民主政権倒すしかない」とスローガンを叫ぶ必要などない。判りきった結末を叫ぶ橋下とは扇動しかできない情けない男だ。もし勇気ある男ならば政権交代後に何をどう実現するのかを語るべきだ。そうすれば我々有権者はその良し悪しを判断できる。