冷蔵庫が壊れた。

 子供が置いていった小さい方の冷蔵庫の冷凍能力が落ちて、いつもならカチンカチンに凍っているはずの餅が柔らかくなっていて冷蔵庫の故障だと気付いた。
 小さい冷蔵庫といっても、全容積は160リットルくらいで冷凍庫は30リットルくらいだと思う。冷蔵庫が2台あるのは便利で、特に小さい方の冷凍庫には餅やパンやロールケーキやバウムクーヘンなどを入れていた。
 故障したなら、家族で使う大きな冷蔵庫の方に押し込めばよいのだが、大きな方の冷凍庫もほとんど一杯だったし、何を移してどれを食べるかも問題であった。まあ、大きな方の冷凍庫のスイートコーンなど安い物を食べてお菓子類を入れる隙間を作ったが、やはりはみ出してしまった。
 
 本当は体重を落とさなければならないのだが、私は食べ物を捨てられない世代なので、とにかく一生懸命食べた。女房は甘い物に強いのだが、私はロールケーキ2切れくらいで胃袋が悲鳴を上げてしまう。午前午後のお茶の時間にお菓子を食べ、いつもより量の多いおかずを食べたので、2日で体重が2Kg増えてしまった。
 
 冷蔵庫の故障で再確認したのは、人間とは便利(豊かさ)は受け入れるが、不便(貧しさ)にはなりたくないとの特性である。無くてもよい冷蔵庫と思っていた残置品の冷蔵庫だったが、同じくらいの大きさの物に買い替える事にした。自分達の気持ちを誤魔化すために『大きな冷蔵庫が壊れたらどうしよう』ともっともらしい言い訳で約4万円ほどの出費となった。
 でも、本当に大きな方の冷蔵庫が壊れたらどうするんだろう。4日で4Kgは太りそうだ。それよりも、首都直下型の地震が起きて停電になったら2台の冷蔵庫の食べ物はどうなるんだろう。自分の生死よりも食べ物が無駄になる事を心配する内蔵助でした。