半田付けは古~い技術。

 半田付けは非常に古い技術で錬金術師が発明したとか、それ以前から使われていたとか様々な説があります。半田は鉛と錫の合金で融点の低い特徴があり、金属同士を接合するのに用いられます。
 宇宙時代の現代でも使われていますが、上手な半田付けにはそれなりの熟練が必要で、宇宙船を1gでも軽くしたいNASAには半田付けの資格がありました。
(すみません。今もあるかどうかは調べていません。)
 
 私も無線屋でしたから半田付けはずいぶんやりました。新しく半田付けするのは楽ですが、古い半田付けをやり直そうとすると、半田付けの根元で銅線がプツンと切れる事があります。
 それが、長年の微振動による金属疲労で起こるのか、異種金属の接触による腐食で起こるのか、電気を流した電子移動による金属変質なのか判りませんが、とにかく弱い力でもプッツンと切れるのです。
 もしかして、もしかしてですよ。人類が数10年に及ぶ宇宙旅行をする場合、今の様な半田付けを多用した宇宙船やコンピュータで大丈夫でしょうか。宇宙船でコンピュータが使えなくなったとしたら恐ろしい事ですよ。勿論、半田付けも沢山あります。人間のプッツンも怖いですが、半田付けのプッツンはもっと怖いですね。
 
 もう1つ心配なのは、半田付けと同様に沢山使われているコネクタ類です。これは半田付けの様な分子的接合ではありません。金属同士の圧迫による接触接続ですから、金属表面に錆などが発生すれば接触不良になってしまいます。
 ボヤの煙がパソコン内部に入れば、熱で壊れなくても木材から発生した木酢成分の燃焼ガスや、プラスチックから発生するもっと複雑な科学成分の燃焼ガスにさらされ、ジワジワと金属表面に腐食皮膜が広がり数ヶ月後には原因不明の故障が発生します。
 真空管時代にはラジオやテレビの調子が悪いととりあえず叩いてみました。接触不良という故障は衝撃で直りますが、時間の経過とともにまた同じ現象が現れるものです。パソコンなどはコネクタの数も接点数も多いので、どこの接点が接触不良なのか調べるのは無理です。
 
 そうそう。東日本大震災の時にドコモのフォーマは回線規制で使えませんでしたが、ムーバは利用者が少なかったのか回線規制にならず家族と連絡できました。そのムーバが来年の3月にサービス停止となります。
 ムーバがサービスを始めた詳しい年は記憶にありませんが、たしか平成になってからだったと思います。高度な電子技術であってもシステムの寿命は20~30年くらいのものです。という事は、50年も100年もかかる宇宙旅行は無理だという事になります。