女房の居ぬ間にウフフ!!。

 女房はラーメンが嫌いです。というか、私と一緒にラーメンを食べるのが嫌いです。
 私と一緒にラーメン屋さんへ入ったのは新婚時代に1回だけです。そして、事件はそこで起こりました。それこそが、私とラーメンを食べなくなった理由なんです。
 
 新婚時代に2人で外出し、帰宅が夕方になったので、夕食を作らなくてもよい様にと地元の『大龍』というラーメン屋さんに入りました。2人で食べるうちに女房の鼻から鼻水が流れ、ポケットティッシュなど無かった時代ですからアセアセとハンカチを出して鼻を押さえました。
 その様子が子供ぽくって可愛らしく思い、私の微笑んだのを見て以来。女房は私とラーメン屋さんへ入らなくなりました。2人でラーメン屋さんへ入れなくては、お友達から勧められているラーメン屋さんへも行けません。女房と2人で行くにはどうしようと考えていたら、女房が久々に姉妹で旅行する事になり、女房の居ぬ間に『神豚(かみぶた)』というラーメン屋さんへ1人で行きました。
 
 お店で「どれがお勧めですか」と聞いたら『うちは1種類で麺の量やチャーシューなどの追加があります。初めてでしたら700円のを食べてみてください。』と教えてくれました。
 私が座った席の隣には男性3人組みのお客さんがいて2人が先に出て行きましたが、残りの1人がドンブリと悪戦苦闘しています。どうもお腹が一杯になってしまった様ですが、まだドンブリにはチャーシュー1枚と少々の麺が残っていました。
 わき目で見ていた私ですが、目の前に野菜が山盛りになったドンブリが出てきてビックリ。その山に厚切りチャーシューが2枚陣取っています。とにかく山を向こうに寄せて、その下の太麺の隙間から蓮華でスープを2口味わってみました。昔は無かった濃厚な味のスープです。
 太麺を食べようとしたら、上の野菜が「俺達もスープに入りたい」と言うものですから麺を食べながら野菜をスープに押し込んでやりました。腰のある太麺にコクのあるスープがよくからみます。時々箸休めにチャーシューや野菜を食べながらグイグイと食べたのですが『このドンブリは4次元ポケットか?』と思うほど麺が続きました。
 
 悪戦苦闘していた男性の席が空くとアベックが座り、女性が男性に麺や野菜を食べるのを助けてもらっています。どうにかこうにか私もドンブリの中の物を食べ終わりましたが、そこでギブアップ。隣の男性が悪戦苦闘していたのも、彼女が彼氏に助けてもらったのも判ります。私もスープを飲み残したのでドンブリの底の絵が見れなくて残念です。
 私が出た直ぐ後にアベックが出てきて、男性が『腹いっぱい食いすぎかも』と言っていました。
 満腹した私は帰りの電車で居眠りし、夕食もやっと空きはじめた腹に何を食べようか迷ったり。結局、大根サラダだけで充分でした。
 そうそう。電車で居眠りをし、途中で目を開けたら、柱に『かみおおおか』と書かれていました。一瞬、『お』が多すぎて『?』と思いました。漢字の駅名『上大岡』を見て、同じ平仮名が続くと読みにくいなと思いました。