必要は発明の母。ならば父は誰?。

 発明の父は『なまけ心?』かもしれませんし『あくなき好奇心?』かもしれません。
 
 発明王と聞けば大多数の人は『エジソン』と答えるのではないでしょうか。でも、彼のエピソードには数々の怠けの下心が見えますし、研究に没頭するエピソードは楽するための執着心にも見えます。
 楽をしたいと思う下心は、普通は手抜きという方向に走りますが、それでは手抜きした間に出たゴミを片付けなければならない余分な手間が増えてしまいます。結局、正しく手抜きするためには正しい省力化をしなければならないのです。
 
 企業が省力化を考えると『仕事の一部をアウトソーシングしよう』という結論に達する事が多いものです。ところが私の聞いた話では、ある会社で仕事を派遣社員に任せましたが、派遣制度の法律により同じ人に同じ仕事を継続して任せる事はできません。省力化で始めたアウトソーシングですが、数年すれば正社員に登用するか、同程度のスキルのある派遣社員に替えてもらわなければなりません。
 しかし、仕事には体で覚えたノウハウの積み重ねがあります。同等のスキルがあるといっても前任者の様にスムーズに仕事が出来るわけではありませんし、仕事を任せきりだった正社員にもノウハウが無くて、仕事が円滑に進む様になるまでかなり時間がかかったそうです。
 
 結局このケースのアウトソーシングは省力化でなく、本業を他人に任せた手抜きだったのです。しかも正社員すら仕事を知らなくて、手抜きの間に失ったノウハウを身につけるまで余計な仕事をしなければならなくなりました。
 原発も子会社、孫会社、そして下請けや臨時雇いと複雑な雇用関係にあります。東電の技術者は全体は判っても、多分現場の作業は知らないでしょう。下請けの現場作業員には原発の全システムなど知るよしもありません。
 原発以外でも、こういう仕事のやりかたは仕事の分界点でミスが起こるものです。(よ~く考えると恐い事です)