人はなぜ人を殺せるのか。

 人間は、人間以外の生き物の同属殺しには『共食い』という言葉を使って、知性の無い下等生物が行う行為としています。ところが人間の行う同属殺しには『殺人』とか『戦争』という別の言葉を使って『共食い』と区別し、許容します。
 
 下等生物の行う『共食い』は文字通り同属を食料として捕食します。でも、それは人間の行う『殺人』とどれほどの違いがあるでしょうか。
 空腹という命の危機に食料として同属を殺すのと、命の危機も無いのに同属を殺すのとどちらの罪が重いでしょうか。
 そして、なぜ知性ある人間が『共食い』よりも愚かな『殺人』を犯すのでしょうか。
 
 『殺人』の動機は別として、『殺人』という行為は『人間は道具を使うから同属殺しをする様になった』と考えています。
 重ねて申します。ここで述べたいのは殺意の事ではありません。『殺人』という行為についてです。『殺人』と『殺意』を混同されません様に願います。