人間以外の生き物はなぜ同属殺しをしないのか。

 生物学者の中には人間以外にも道具を使う種がいるという人がいます。テレビである種の猿は硬い殻を割るのに石を使い、ある種の鳥が木の中の虫を細い枝で突き出すのを見た事があります。でも、同属殺しに道具を使うのは人間以外いないと思います。
 更に、人間以外の生物で同属が争う理由は順位争いか、テリトリー争いなので、順位が決定したり、相手を追い出せば戦う理由は無くなってしまいます。また、多くの場合がタイマン勝負であり、お互いが肉体でぶつかり合う互角の条件です。そして、自分も致命的な怪我を負うリスクのある徹底的な戦い(同属殺し)など無意味なのです。
 
 映画『2001年宇宙の旅』では原始的な人間(猿?)がモノリスに触れ、動物の骨を武器として生物的優位に立ち、人間に進化する事を暗示させます。
 そうです。武器があれば相手より優位に立て、自分の安全が保障されます。すると、自分より弱い獲物ばかりを狙っていた狩が食料的価値の高い大型動物を狙える様になります。
 
 狩猟道具(武器)は人間の食料事情を改善し、他の生物よりも豊かに暮らせるようになりました。勿論、大型動物よりも凶暴で狡猾で油断のできない同属を殺すのにも、狩猟道具(武器)は大変に役立ちます。
 私は、武器により自分の安全が保障されるので、人間は同属殺しができるのだと考えます。
 
 チンパンジーが同属殺しをやったという目撃があるそうですが、どの様に行ったのでしょうか。また、それは自然発生的な殺しであったのでしょうか。人間が関与すれば、犬同士でも死ぬまで噛み合わせる事はできますが、それは自然発生的な殺しではありません。チンパンジーについてはもう少し詳しい事が判らないと言及できません。
(殺しの『動機』は様々なので考察しません)