私がバイクで走る場所。

 昨年の12月11日に『人生最後のビッグバイク』を書いたけど、冬に向かう時期だったので、春になるまではあまり走らなかった。春からはぼちぼち出かける様になったが、どこへ行くでもなく、多摩ニュータウンの広くて信号が少なくて適当な高低差のある道を走る事が多い。
 大規模開発された多摩ニュータウンは、豊かな里山多摩丘陵を切り崩して宅地にした。開発以前には山手線を起点とした電車賃が片道100円以内のハイキング書にも、高幡不動駅からのハイキングコースが紹介されていた。途中にはタバコの商品名のついた『ピンヘット山』などとおかしな地名もあったが、今はバイクで走ってもどこだったのか判らない。この大規模宅地開発はジブリアニメ『平成狸合戦ぽんぽこ』にもなっている。
 
 考えてみると、多摩ニュータウンは高度成長期に開発が手がけられ、鉄道が充実するまでに十年以上かかり、住民は働き盛りを過ぎてしまった。その間に子供は巣立ち、生活スタイルも変わってしまった。住宅地を造る時は都心へのアクセス手段となる鉄道が必須だと思う。
 私は一時期お台場に勤めたが、新交通システムの『ゆりかもめ』の輸送能力が低くて新橋からの通勤が大変だった。その頃の臨海鉄道は東京テレポート駅が終点だったし、新木場駅始発なので中央線沿線の私には遠回りのルートだった。
 住宅地であれ、オフィス用地であれ、新開地発展のためには専用軌道を走る鉄道の充実が欠かせない。バスの利用も考えられるが、運行時間の正確性は鉄道にかなわないし、輸送能力も比較にならない。とにかく、バスの最大の欠点は地域が発展すると運行時間の正確性の悪化する事である。