水俣と同じ事が福島でも起きた。

 福島産の牛肉からセシュウムが検出された。勿論、それを食肉として流通させるわけにはいかないから、焼却処分となるだろう。
 水俣で食用とならない魚を獲ったのと同じ事が、今度は原発事故により福島で起きてしまった。今後出荷予定の肉牛にもセシュウム汚染が広がっていたら、その肉牛はどうなるの?。動物園で余生を送るの?。そうなる肉牛もいるかもしれないけど、多くは汚染牛として処分されるだろう。
 肉牛飼育家はステーキを想像して肉牛を育てるわけではない。手をかけ、声をかけて、肉になると判っていても慈しんで育て、競りで買われた別れには涙をも流すのだ。
 もし、汚染が長期にわたり、東電からお金を貰ったとしても、肉にもならずに焼却処分される牛を飼い続けられるだろうか。労働の虚しさは水俣漁師よりも早く訪れるのではないだろうか。
 早期にセシュウム汚染の原因をつきとめ、汚染防止策により良質な肉牛を育てられる様にしてほしい。ただし、それが高くつくものであってはならないし、風評被害も広がらない事を祈るばかりだ。
 
水俣につきましては7月7日『不毛の労働は人格を壊す』に書きました)