南海地震も心配。

 私が人生で初めて衝撃を受けた大津波チリ地震津波だった。当時は宮城、岩手、青森のリアス式海岸のV字形の入り口が災いし、奥に行くほど津波が高くなったと聞いていた。だから、平坦な海岸線の仙台から千葉県まではひどい被害は起きないだろうと思っていた。
 ところが津波の波高が5m10mと異常に高くなると、千葉県の九十九里の様な所でも大きな被害が出てしまう。私は茨城県の鹿島工業地帯でも仕事をした事があり、釣船でお世話になった社長に電話したら、社長の家族は無事だったけど、船は津波で岸壁に上がってしまったという。些少のお見舞いはしたが、船を海に戻す足しにもならなかっただろう。
 
 今後の心配は浜岡原発東海地震と、関西に近い南海地震と、名古屋に近い東南海地震だ。これらの地震で今回並みの津波が起こると、浜岡原発津波の直撃を受けるだろうし、南海地震では瀬戸内海でも被災が懸念される。
 瀬戸内海は四国が防波堤の役目を果たすので津波の高はさほど高くはならないだろうが、入り口が狭いという事は入った津波が出にくいという事でもある。紀伊水道と豊後水道から入った津波は瀬戸内海のあちこちで反射して、どこかで三角波の様に異常に高くなり、局地的な津波被害が起こるのではないだろうか。
 シミュレーションでそれぞれの被害を想定する事は学者の重要な使命だろう。日本全国、海岸地帯には日本経済を担う企業や工場がひしめいているから、災害予測を立て対処方法を考えておく事は重要だと思う。