他人の不幸で儲けるのは恥知らず。

 東北関東大震災で株価が大暴落しているので、いま株を買えば儲けを見込める。また、海外投資家の思惑で円高が進んでいるのも、為替差益で稼ぐチャンスでもある。
 だが、しかし。私は1万人を超すであろう死者と、家を無くした数十万人に及ぶ被害者の不幸で、自分が幸せになる事をいさぎよしとしない。株も為替差益も正当なる商行為なのだが、他人の不幸につけ込むのは恥知らずだと考える。
 約40年前に『日本人とユダヤ人』(イザヤ・ベンダサン著 山本七平訳)が発売された。その本には日本人の特性が判り、今も経営者のバイブルとされる松代藩士恩田木杢の『日暮硯』についても書かれている。
 恩田木杢は疲弊した松代藩の財政立て直しのために様々な施策を打つのだが、それはすべてをご破算とする奇策であり、普通ならば誰もが受け入れを拒む案である。すなわち、年貢は収めた者も収めなかった者もまたゼロから出発しようというものであり、同様に、金を借りた者も貸した者もそれは無かった事にしようという政策であった。
(表現の拙い私が書くよりも興味があったら読んでみてください)
 日本人の『困った時はお互い様』として協力し合う特性は、西洋人には理解しにくい事かとは思いますが、花凛さんが3月16日に書いた『なぜ略奪ないの?=被災地の秩序、驚きと称賛―米 』の答えの1つになると思います。
 まあ『日本人とユダヤ人』という本は意外と軽い本で、私は1晩で読みました。とにかく変わった考え方に満ちた本です。ただし、20代前半にこれを読んだ内蔵助はこんな人間になりましたから、要注意書籍かもしれません。
 
追伸
 『困った時はお互い様』の精神と『恥の文化』で西洋経済学に毒された恥知らず達の鼻をあかしてやりましょう。人の不幸で金儲けをもくろむ海外投資家の思惑をうっちゃってやりましょう。