蘭には不気味さがある。

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 今年も、昨年ほどではないにしてもシンビジュウムが花をつけました。花芽が伸び、花が開くまでには2ヶ月くらいかかりますが、花の寿命も長く下から先端まで順次開花し、途中で切花にしても1ヶ月くらいは花を楽しめます。
 ところが、シンビジュウムの花軸と花柄の分かれ目には、写真の様な水滴がしみ出します。それと、花の首の所にも同様に水分が出ます。これがベトベトとして食虫植物の消化液の様なイメージなのです。同様に、胡蝶蘭でも葉の裏側はベトベトしています。
 私は美しい蘭の花を少し怖いと思っています。傾城の美女の怖さでしょうか。それとも美しさのもつ毒なのでしょうか。ところが女房はそんな事はお構いなしで、今日も『500円ちゃん。頑張りなさい。』と声をかけています。我が家の桃色のシンビジュウムも、緑色のシンビジュウムも、赤いシクラメンも、ぜ~んぶ花屋さんで花の時期を過ぎて500円で売られたお花達です。
 だから、私がシンビジュウムに声をかける女房に『500円ちゃんと声をかけたら皆がハ~イと返事をするよ。』とまぜっ返します。女房は笑いながら『アラ、そうだったわね~。』と私の言葉など気にしません。
 去年シンビジュウムの株分けをしたのは私です。今年も2鉢は株分けしないと窮屈になってきました。私は心の中で(綺麗な花の咲いたのは俺の株分けのおかげだぞ)と思いますが、口に出して言えば『おかげ様で500円が千円になりました。』と去年と同じ言葉が返ってくるでしょう。シンビジュウムの花に怖さと嫉妬心を抱く内蔵助です。