物忘れ。

 『朝ごはんは何を食べましたか?』と聞かれて思い出せないのは単なる物忘れだそうですが、『私、朝ごはん?食べたっけ?』となると、これは物忘れではなく健忘症らしいです。ひどくなると忘れた事すら忘れてしまうそうです。それはどんな生活なのでしょうか想像できませんけど。
 物忘れなら心配は無いかというと、そうでもない様です。NHKの健康番組で鬱病をやった時に『鬱の初期症状は物忘れ』と言っていました。さらに『人間は物忘れに、自分に都合の良い理由を付ける』そうです。
 例えば『最近忙しくて疲れているから』とか『昨日は後輩と飲んだから』とかで自分を納得させるそうです。しかし『ライバルが仕事の邪魔をする』とか『上司が自分ばかりを目の敵にする』とか他人に物忘れの原因を転嫁するのは危険な兆候だそうです。
 ボケ老人が自分で置いた財布の場所を忘れて『財布を盗まれた』と言ったり、孫にお金を上げたのを忘れて『嫁が財布から金を抜いた』というのは大概の人が目にしたり、他人から聞いたりした事があると思います。
 物忘れがさらに進み、お金の事も気にしないほどに神々しくなると、神様のお迎えも近いはずです。なぜなら、人間のお金への執着はものすごくて、記憶喪失になってもお金の事は判らなくはならないそうです。記憶喪失者がお金を見て『これは何ですか?』と言う様なら、それは偽記憶喪失だそうです。