私はいつ車を手放せばよいか。

 10月19日NHKのクローズアップ現代『見過ごされてきた踏み間違い事故』は、私が元々危惧していたオートマチック車の最大の欠陥を指摘していた。公道を走る自動車が遊園地のゴーカートと同じでは危険極まりないはずなのだが、自動車メーカーはその事に頬かむりしてきた。私自身もマニュアルシフト車の生産をやめてしまったメーカーに苦情の手紙を出した事がある。その返事は『シフト操作を無くした事により運転に集中できる』との嘘の返事だった。
 車を運転する時に人間はどれほど集中しているだろうか。本当に集中しているのならば、運転中に漫画を読む奴はいないだろうし、テレビを見る奴もいないだろうし、メールを打つ奴もいないはずだ。たとえ、それらの行為をしていなくても、ほとんどの運転者は頭の中で運転操作とは別の事を考えている。昔から夫婦喧嘩の後では事故を起こしやすいと言われたし、デートに向かう若者であれば、運転中にもSEXの事を考える。簡単な操作で車を動かす事ができるという事は、運転中に余計な事を考える余裕を与えたという事でもある。
 しかし、当然ながら前述の様に自動車メーカーはこれを否定する。簡単な操作で運転できる自動車は多く売るためには必要不可欠な技術なのだ。だから、メーカーは屁理屈をこねてでもオートマチック車を作り続けなければならない。
 さて、ペダルを踏めば動く自動車の時代では、免許所有者にはいつ車の運転をやめるかの判断が求められる。ところが、自動車は便利で楽な乗り物だから、歳を取れば取るほどやめるのが難しくなる。だから私はマニュアルシフト車に買い替え様と思った。マニュアルシフト車で一番難しいのは坂道発進で、両手両足の連携動作が上手くいかないとエンストやバックしてしまう。
 私はそうなった時には車をやめようと思っていたのだが、マニュアルシフトの新車へ買い替えを断念した今、どんな運転技術の衰えで車のやめ時を判断するか考え直さなければならない。オートマチック車で困難な操作はバックで駐車する事くらいかな?。それでもマニュアルシフト車の坂道発進よりは簡単な事だと思う。