ぶっちゃけ。マンションで親の介護はできるか。

  ぶっちゃけシリーズ第4弾で~す。(今回は豪華2本立てです・笑)
  子供夫婦に老後を看てもらい、孫に囲まれて安らかな終末を向かえるという老親の素朴な夢の実現はマンションでは不可能な気がします。
 
  仮に、老親が2人で、子供夫婦に孫2人というモデルケースを考えてみると、4LDKでも狭い気がします。
  最近のマンションの部屋配置は、たとえ4LDKでも、一部屋はカーテンウォールなどでリビング・ダイニングに隣接していますから、この部屋には病人は寝かせておけません。
  すると、残りは3部屋となってしまいます。すなわち、病人の部屋。そして病人の配偶者の部屋。そして子供夫婦の部屋。孫に与える子供部屋などありません。子供の机が置けるのはリビング・ダイニングに隣接した部屋の片隅くらいです。
  仮に、病気の親とその配偶者を一部屋に押し込んだとしたら、結果的に老々介護になり健常な親も病気になる可能性がありますし、介護ヘルパーに訪問してもらっても窮屈になってしまいます。実は、私の身内で息子夫婦と同居しながらも、夫が脳梗塞になり妻が同室で介護していました。ところが、介護疲れによるものなのか、妻が先に死んでしまったのです。
 
  そうなると、必然的に病人には適当な施設に入ってもらう事になります。そうすれば孫に子供部屋を与えてやれますが、そこにも問題があるのです。
  もし、男の子が年上で、女の子が年下となると、思春期の男の子の抑制が難しく激しい性欲のはけ口が妹に向かう事があるのです。妹に初潮があったなら、兄の子を身ごもる事もありうるわけです。
 
  まあ、聞いた話ですが、マンションによっては葬儀禁止とか棺おけの持ち込み禁止というマンションもあるみたいですが、老人介護の最大の難点は排泄になります。
  命をつなぐための食事は、いずれは大便や小便となって排泄されるのですが、衛生の観点から消毒が必須となります。その消毒臭がこれまた不快な臭いなのです。多分、同じ階の居住者から苦情が出ると思います。
  また、万が一ですが、それらの排泄物や消毒液をこぼしてしまうと、下の階にしみ出してしまいます。下の住民は怒るでしょうし、以前の快適な住環境に戻してもらいたいと文句を言う事でしょう。
 
  それらを勘案すると、マンションでの老人介護のリスクはかなり高くなり、現実的には不可能だと私は考えます。
  適当な施設に親を入れて死ぬまで看てもらうというのは、今までの常識で考えれば親不孝かもしれませんが、住環境が変化したのだからやむを得ぬ事ではないでしょうか。
  さて、そうなると私達の終末をどうするかですが、9月29日のブログ『ぶっちゃけ(た!!)。親子関係』に書いた通り、私達の親子関係は悪化しました。夫婦で介護つき老人ホームに入るには住居の土地を売っても足りないのが悩みです。
 
 
追伸
 
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  この下書きを書き終えた後に、三菱地所から『Residence Club (vol.2)』という小冊子が送られてきました。多分、だいぶ前にティッシュ欲しさにマンションのモデルルームを見た時、住所氏名を書いたので送られてきたのでしょう。
  ちょうどそこに、今回のブログ内容に関係する記事が出ていましたので追記しました。上の写真がその小冊子の記事の『シニア夫婦向けの平屋プラン』です。
 
  その記事は「特集 東大教授と考える 幸せを呼ぶ、家の空間づくり」という題名でした。記事を書いたのは東京大学の大月敏雄教授です。
  機能を絞り込んでこじんまりとしたプランはリタイア後にふさわしく素敵なプランですが、私の年齢になるとどちらかが病気になったりボケたりしたら不安になる間取りです。まあ、それでも夫婦二人ならばともかく、配偶者を看送った後の独居生活はどうなるのでしょう。子供夫婦とは絶対に同居できない狭さなので、子供夫婦に同居してもらって看取ってもらえないプランです。
 
  大月敏雄教授は1967年生まれの50代前半です。私より2回り近く若いのでこれでよいのでしょうが、70代の私には老い先の人生設計が見えない家という印象です。
  まあ、独居老人になったらこの家で死ぬのは難しいでしょうから、夫婦のどちらかが欠けた時点で、この家を売って老人ホームに行けというプランに思えます。
  そう考えると、現代のライフプランも見えてきます。現役時代には職住接近の住まいを選び、リタイアしたらゴルフやウォーキングなど趣味を楽しめる郊外に居を構え、老いたら老人ホームというのが必然のコースなのかもしれません。
  ただし、夫婦で老人ホームに入りたいと思ったら、入居時には夫婦共に健常でなければなりません。一方が要介護状態になってしまうと、健常な方は老人ホームでも要介護の方は介護ホーム行きになってしまいますので用心めされます様に。
 
  私も意識改革しなくっちゃ!できるかな~?アメリカ映画の『コクーン』と『コクーン2』は、そんな問題を考えさせられる映画でした。ただ、老優が体を張って演技をしていますので、それを楽しむだけでも面白くて笑ってしまえる映画でもあります。
  昔は『現在のアメリカが10年後の日本だ』という言葉もありました。現在は10年でなく、5年後?あるいは同時進行かもしれません。だとしたら『他人のふり見て我がふり直せ』という事かもしれません。