私がボケを認識した出来事。

  先日の事だが、風呂に入るため湯船に湯を入れ始めた。普通であれば半分溜まったところで最初の音声通知が流れる。そして、湯が予定通りの量になると給湯が止まり溜まったむねの音声通知が流れる。
  ところが、その日は予定の時間になっても音声通知が流れなかった。私は風呂の栓を閉めずに給湯を始めてしまったかと不安になって様子を見に行った。そうしたら、一杯に溜まった上に、オーバーフローから湯が下水に流れ込んでいた。
 
  そして私が最初に思った事は(湯沸かし器が壊れたか?)であった。その後(いや、俺がお湯張りでなくただの給湯をしたに違いない!!)と思い直した。
  そして、私は(これがボケの欠点なのだ)と感じた。
 
  そう。恐しい事だが『ボケると自分は悪くないと思い込み、頑固に自分の考えに固執し、物事を正せないのだ。それがボケなのだ』そう感じたのである。
  そして更に思った。もし、私が若かったなら(いや~、お湯張りでなく給湯で貯めてしまった)と思ったであろう。私が最初に(湯沸かし器が壊れた)と思ったのは、ボケの始まりだと恥じ入ってしまった。
 
  この事は女房にも話した。そして、ボケの発覚とは普通に生活する中で突然、自分のいる場所を失念したり、毎日の様に押していた暗証番号を間違えるだけでなく、何回も間違い番号を押してしまい、冷静になれば思い出せるのに余裕を失ってパニックになってしまう。
  そんな、症状が多分ボケの始まりなのではないかと感じた出来事であった。(私のボケはかなり真近かまで迫っていると考えておこう)