喧嘩の上手い安倍首相。

  小池が都知事選に立候補を表明した時、私は(やっぱり!!)と思ったが、自民党本部も自民党都議連もよい顔をしなかったので(おや??)と感じた。
  そして、その後のニュースで今年退官した桜井に自民党が立候補を打診して断られたと流れて、納得ができた。
 
  多分、仕掛け人は安倍首相だろう。小池を除け者の立場に立たせ無所属で立候補させ、別に知名度の高い人を都知事候補として擁立する。
  票は割れるだろうが、小池には判官びいきの日本人の性格から同情票があつまり、正式に擁立した人には自民党支持者の票が集まる。票の割れるのは不利ではあるが、野党連合が推す都知事候補の票は確実に低下する。
 
  現代の選挙は人気投票になりつつあり、流動票(支持政党なし)の有権者はその時の雰囲気に流されて、良かれ悪しかれはともかく話題性のある人物に投票する。
  安倍首相にすれば誰が都知事になろうと自民党の息のかかった人間が都知事になればそれで良いのだ。小池とあて馬の誰かさんの2重候補は選挙の常識では非常識だが、野党連合がさしたる人物を擁立できなければ票が割れても最大得票者が小池か誰かさんが都知事に就く公算が大きくなる。
 
  今の日本の選挙では得票の50%以上を得ない場合は上位2人による決選投票という制度がなく、どんなに得票数の割合が少なくても最大得票者が当選するのである。私は、安倍首相はこれにかけたと瞬間的に思った。
  それにしても、下痢で首相を辞めた人物が政治的なパワーアップでなく、選挙戦術に特化して戻ってくるとは思わなかった。せめて政治理念を向上させて戻ってきてほしかった。