人間は夢にお金を払う。

 これから何年乗れるかも判らないのに私がオートバイを買ったのは、それを買う事で何ができ、生活がどう変わるかという夢を見たからである。そして、オートバイは最初に考えた夢以上の事をかなえてくれた。
 
 人間は脳が発達したおかげで、未来予測ができる様になった。そして、未来予測に従って行動し、達成できると喜びを感じる。人間以外の動物だって未来予測をして獲物を狩ったりするが、食えない物に夢という未来予測をえがくのは人間だけである。
 ところが、この夢という未来予測が不幸を招く事もある。それは詐欺などの人を騙す犯罪である。騙しは人間の未来予測を刺激して、良い未来を夢見させる。騙される方は巧みな誘導で良い未来予測だけを膨らませて、悪い未来予測を考えない様になってしまう。
 
 不幸をネタに老人を騙すオレオレ詐欺だって同じである。9月18日のブログ『なぜオレオレ詐欺に引っかかるのか理解できない』でも、やすやすと金を出してしまう年寄りは家庭的に不安定な立場にあると書いた。だが、本当の老人の心は『これだけ金を出せば私を粗末には扱わないだろう』との老人の未来予測があるに決まっている。
 詐欺ではないが、私は『パーワーストーン』という商売が理解できないし、なぜ詐欺にならないのかも理解に苦しむ。それはすなわち、実体のある商品があるというたった一点に尽きるのだろう。まあ言ってみれば、さほどの実用性もないブランド品に大金を出すのと同じなのだ。
 
 趣味が違えば夢を見ないのも人間の特徴なのだろう。私にとってはパーワーストーンはただの石ころだし、ブランドバッグも使いにくいのに高すぎるバッグである。結局は山用のザックが一番好きだ。(私は世情にうといトホホな男である・人生楽しんでないかも)