親を信じなくなる瞬間。

 私の親戚に犬嫌いの女性がいる。その人が娘と一緒に買い物に出かけた時、娘に『私ってお母さんからどう思われているんだろう』と聞かれた。母親としては当然ながら「可愛いよ~命がけで守っちゃう」と答えた。
 
 ところがその直後。道路わきの家の犬が娘に吠えかかり、娘が母親にしがみ付こうと母親の方を向いたら、母親は娘の影に隠れる様に身を屈めていた。
 娘は一言『お母さん信じられな~い』と言った。でもそのおかげで、その日のお買い物は娘にとって大収穫の日となった。