経験から学ぶ私は『馬鹿?』

 ガキの頃からオートバイに憧れ、当時は許可証で乗れた50ccだが『どうせ俺には買えないし』と許可証ももらわず、もっぱら悪ガキ仲間の親父のバイクを無免許でかわるがわる乗り回していた。
 25歳にしてやっとCB350(転倒車)を安く譲ってもらい、念願のオートバイオーナーになったが、転倒でフレームが少し歪んでいたり、キャブに不具合があったり、バックファイアーが出たりと手入れが必要だった。
 
 オートバイ雑誌から得る知識でそれらを何とか克服し、先日はフムフム様にCB350で経験した点火時期を少し進めてバックファイアーが改善したとコメントに書いてしまったけど、今はコンタクトポイントで着火するんじゃあない事をやさしく教えてもらった。
ケンシロウだったら『すでにお前の経験は死んでいる』と言っただろう)
 まあ、経験で学んだ知識だからそうなったわけで、40代でカワサキの400ccのオートバイオーナーになった時には、バッテリーの放電に気をつけていればよいほどに故障しなかった。
 
 そういえば、自動車も最初に買った中古シビックの時以外はボンネットを開けてディスットリビューターなど点検した事も無い。2台目のスバルレオーネは新車購入の10日後くらいにプラグの1個が発火しなくなったが、この時はクレームに持ち込んで取替えさせたので、やはり自分ではボンネットを開けなかった。
 考えてみると、私は経験で得た知識しか無いからオートバイも自動車も故障しなくなってからは、何も学んでいなかったのだ。
 そういえば、SF小説にしょっちゅう故障する宇宙船の話があった。乗組員は『ボロ宇宙船』と文句を言うが、それは宇宙船のコンピュータがわざと故障させて搭乗員の技術低下を防ぐというオチだった。
 
 オートバイや自動車に関して、今の私の頭にはヒューズ取替えくらいの簡単な故障しか直せない古い経験しかない。愛車のS-MXは今年で15年目の電子化が未熟な時代の車なので、アクセルはキャブに直結している。だが、今の車はそれがサーボモーターになっているはずだ。
 現在の電子化された車でも、ペンチとドライバーでキャブ周辺を取り外す事なら私にもできるだろうが、そんな事をすれば修理よりも壊す事になる。キャブの原理を霧吹きで教えていた時代は『素人でも手の出せるいい時代だったんだな~』と振り返ってしまった。