お馬鹿な知識人は始末に困る。

 9月4日は野田内閣誕生後の初日曜だったので、政治討論や新内閣に望む知識人の番組が多かった。私は『まあ大した変化はないだろう』とパソコンでフリーセルをやりながら聞いていました。そうしたら、馬鹿知識人がおかしな持論を展開しました。
 要約すると『日本の預貯金と不動産などの総資産は○千兆円になるから、安易な増税はしないで、それらの資産に1%税金をかければ国家予算に占める国債返還の2倍以上の金が集まる。』との内容でした。
 言葉というものは消えてなくなるからウンウンとうなずく人もいるだろうけど、よく考えてみれば正しいかどうかが判るし、日本にとって良い結果が出るかどうかも判る。私には良い結果の出る案だとは思えない。
 
 百万円の預貯金に1%の税をかけたらどうなるか考えると、1年で元本が1%減るという事です。ゆうちょ銀行の普通預金の利率は0.03%ですから、元本百万円での利子は300円です。20%の税金を取られると240円にしかなりません。それなのに、元本に1%の税金をかけられると元本は99万円に減ってしまうのと同じです。
 それが判っていて国民は預貯金をそのまま金融機関に預けておくでしょうか。私なら解約します。すなわち、金融機関には解約希望者が殺到し、取り付け騒動になり、金融機関は倒産します。
 不動産に1%の税金をかけたとしましょう。サラリーマンが30年ローンを組んで、5千万円のマンションを買ったとしましょう。課税評価額は多分、1千5百万くらいでしょう。すると、毎年の固定資産税以外に有無を言わせず15万円の税金を取られるのです。苦しい家計でローン返済にしている人が、プラス15万円の税金に耐えられるでしょうか。
 
 ゲームをしながら聞いていたので、そのお馬鹿な知識人の顔も名前も確認していませんし、録画などしてもいませんでした。でも、テレビで自信満々に言われると『そうだそうだ、その通り。』と納得してしまう人が沢山いると思います。
 
 肩書きを持った馬鹿がテレビで見境もなく声高に騒ぐ恐ろしさは、多くの人が信じてしまう恐ろしさでもあります。ヒトラープロパガンダとなんら違いはありません。言葉でなく文字にすれば、そのお馬鹿の言う事が机上の空論であるある事は明白です。
 耳から入ってくる言葉は批判の余地の入りにくい伝達手段です。詐欺師に騙されない様にしましょう。騙されないためには、相手の言った事を紙に書いてみる時間的余裕が必要です。少なくとも、おいしい事や勇ましい事を言う詐欺師の言葉を鵜呑みにしない事です。