映画『半落ち』の『事実と真実』

 映画の『半落ち』は妻殺しは認めるが、なぜ妻を殺すに至ったかについてはかたくなに黙秘を続ける夫の話だ。
 すなわち妻殺しの『事実』は認めるが、妻を殺すに至った『真実』が語られない事によって、周囲も困惑するという映画である。
 ことに、真実が語られない事によって裁判では量刑を決定するのに非常に困る。やむを得ない事情であるか、そうでないかによって情状酌量の余地が大幅に変わる。
 なぜ『真実』が大切なのかは、裁判だけではない。社会システムに欠陥があって犯罪に至ってしまったのであれば、社会システムを正す事によって犯罪の減少に役立つのである。
 映画『半落ち』の様な場合でも、最近増え始めた『自殺願望による無差別殺人』でも、『真実』が語られなければ、犯罪の本当の解決とはならない。
 だが残念な事に『自殺願望による無差別殺人』にある『真実』は、死にたいから、自殺する勇気が無いから、自分1人が不幸にはなりたくないから、等々、社会的原因など無い。
 実に不毛な犯罪である。

 従来のHPもズミン様のブログがヒントで更新しました。
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