『老人学』のすすめ。(リアル編01)

 3月14日の『老人学』のすすめ。(番外編4)で、私自身のボケに気がついたと書きました。そして、私は自分のボケ対策を長い時間軸で考える事にしました。
 第一に考えたのは『今までの生活習慣の変更』です。
 
 ボケ老人を世話する時に一番大変なのが食事と排泄です。また、外に出てしまう徘徊もご近所や警察などに迷惑をかけるので大変ですが、食事は日に3回かそれ以上になりますし、排泄は小便が日に10回くらいで、大便は日に1回くらいですが、その介添や始末は本当に大変です。
 すなわち、食事と排泄を良き習慣に変えれば介護者の苦労は若干であっても軽減できると考えました。そして、良き習慣への見直しは、自分自身がボケを認識したら始めるべきです。ボケたら生活改善なんて絶対にできませんから。
 
 小便は吸水性の良いオムツがありますので何とかなるかもしれませんが、大便は不定期であり、硬軟と量の変化もありますので現在の良質なオムツでも大変でしょう。
 また、歳をとると消化機能が落ちて排便がスムーズにいかなくなります。現に私も若いころに比べれば体内通過時間がかかる様になって、便が壁土の様になって肛門を洗う時があります。それと、大便には消化酵素が含まれますので、排便後の肛門の手入れをおろそかにすると皮膚が荒れて病人が苦しむ事になります。
 まだ出るうちはよいのですが、時に糞詰まりとなって何日も出なくなる事もあります。そうなると、肛門を開く道具とスプーンで掘り出さなくてはなりません。
 
 いろいろ汚らしい話を書きましたが、私はこの状態をどの様に改善するか、約1ヶ月間自分自身で実験してみました。
 睡眠中の小便の量を減らすには、利尿作用のあるコーヒー・紅茶・緑茶などは午前中に飲み、午後は白湯(さゆ)を飲むのが一番です。その他の方法としては、夜の食事は保水性の良いパスタにしたり、塩分不使用のナッツなどを食べて水分が消化器からゆっくりと体内に取り込まれる様にする事です。
 また、塩分濃度の高い味噌汁は朝食にとり、夕食ではスープなど塩分濃度の低い物にして食後の水分をとりすぎない様にした方がよいと思います。
 
 大便については年齢とともに衰える消化管の通過をよくする事です。
 私は1日に1回はパンを食べる事とし、パンをオリーブオイルに浸して食べる事を試してみました。これは大変良い結果をもたらしました。食物の体内滞留時間が短くなるので壁土の様な便は治り、トイレットペーパーの汚れも非常に少なくなりました。
 
 私が何年後に介護を受ける様になるかは判りませんが、この様な食習慣を身に着けて介護してくれる人の苦労を、ほんの少しでも減らしたいと考えています。